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「土方さん、連れてきました」


「おぅ、ご苦労だったな」




あづさが案内された部屋に入ると、まだ彼女が会ったことがない顔ぶれが多少見受けられた。


どうしていいのか分からず、狼狽えていると、山南がそっと自分の前の座布団を指し




「どうぞお座りください」


「し、失礼します」




ぐるりと囲まれるような状況になり、冷や汗がひかない。


悪いことをした覚えはないが、何故か、小学校低学年の時に先生にみんなで怒られた時のことを思い出してしまった。




「渡辺あづささん」


「は、はい!!」


「あなたのご家族は我々の仲間が護衛しています。安心してください。ただ・・・」


「ただ・・・何ですか?」




この場に呼び出されたのがお説教のためではないと分かり、ほっとするも、なんだか歯切れの悪さが気になる言い方だ。


なんとなく、目の前の人物らしくないと思ってしまう。


山南は言いにくそうに口を開いた。




「この状態がいつまで続くのかが分からないのです」


「全力はつくそう」


「そう、ですか。・・・構いません。命を助けていただいているだけでもありがたいと思うので」




本音を言えば、早く言えに帰って家族みんな、普通の暮らしに戻りたい。


でも、本当に頑張ってくれているのを知っているから。




「本当に、あなたといい、音無君といい。素直でいい子で助かります」


「奏の好みとも言うよな」


「奏君の好みはなまじっか男よりも男らしいとことがあるからねぇ」




井上の苦笑混じりの言葉に、皆がそれぞれ銘々に反応を見せた。