「何このプリント・・・重いー!」
大量のプリントを抱え、あたしの足は職員室へと向かっていた。
なんでかっていうと、朝のHRにずっと顔伏せてたらまぁこうなった。
「先生生徒こき使いすぎ・・・まぁ年だから運ぶのキツイか(笑)」
「ククク・・・(笑)」
独り言を言いながら職員室に向かうと、どこからか不気味な笑い声が・・・
「重いなら、手伝うけど?」
誰の声だか、すぐに分かった。
前よりも低いけどとても優しい声。
「・・・悠季」
3ヶ月も話していないだけで、あたしこんな寂しかったんだ。
涙が出そうな目を必死にこらえた。
「ん?ほら、プリント貸して。うわっ重っ。汐莉、こんな重いの持ってたの?すげー」
どうしてだろう、あたしはとても震えていた。
そしてついに、あたしは涙を流した。
「・・・!汐莉・・・ちょっと待ってろ。」
悠季はプリント全部持って、職員室に走っていった。
でも待ってろ、と言われてもあたしは待てなかった。
あたしは昇降口に、歩き出した。
あたしと悠季は一緒に居ちゃいけない。
そう思ったからだ。

