3ヶ月前、悠季が交通事故にあって以来
とても仲良かったお互いの親は仲が悪くなり、悠季とも話していない。
あのことを思い出すと涙が出てくる
辛い、苦い、思い出。
「・・・っ」
本当に泣きそうになってしまい学校の机に顔を伏せた。
窓側の席のあたしは、朝日が眩しいのを我慢して顔を左に向けた。
神様のイタズラか、登校中の悠季が見えた。
悠季は笑顔だった。
「汐莉~おはよう!」
何分か経って、親友の萌々香が来た。
「・・・萌々香おはよう」
あたしは顔を伏せたまま、なんとなくのあいさつを交わした。
萌々香とは小学校からの友達で、あたしの過去も知っている。
「汐莉、なんかあった?暗いよ?」
「汐莉おはよーん」
萌々香の発言と同時に、中学で仲良くなった美夜が来た。
「また、悠季くんのこと引きずってるんでしょ」
図星だった。
あたしは何も言えなかった。
「引きずってる訳じゃあ、ないでしょ?それに、一途なのはいいことだよ。美夜、羨ましい。」
かばうように、美夜が言ってくれた。
でもごめん、美夜・・・
あたし引きずってる。
今でも悠季が好きなんだ。
『2人にはあたしの気持ち分からない』
不意に、この言葉が頭を過ぎった。
あたしのこと心配してくれてるのに、あたし最低だなぁ・・・。
「おっと、鐘なっちゃう!じゃあ、あとでね・・・」
「辛いなら、メールで相談聞くよ?」
そう言って、2人は自分の席へ戻っていった。
「起立、おはようございます」
『おはようございます』
朝のHRが始まった。

