ヒミツの恋【短編集】

寝ている渉の髪の毛は、やっぱり日に透けてキラキラと綺麗…




そっと、手を出して髪に触って見る。





無造作にセットされた髪の毛は、思った以上に柔らかくてフワフワしてて、つい私は






「柔らかくて綺麗な髪ね…」






そう呟いてしまったんだ…






『…くすぐったいよ。』







おもむろに起き上がった渉に私はのけ反ってしまった。







どうしよう…勝手に座って…勝手に髪いじっちゃった…






「ご、ごめんなさいっ!起こしちゃったみたいで…あの私、私…」





『ずっと起きてたよ。だから平気。
…それより…ずっと気になる事があるんだ…』







私は気になることが何なのかわからずに首を傾げる。





そんな私を見て渉は一言…






『ずっと…俺の事見てるよね…』







終わった…





私の気持ちはもうお見通しで…
迷惑なものでしかないだろう…





きっと…今日で最後。もう図書室には来てくれない…