図書室へ向かう途中にある渡り廊下の窓から、校門が見えてそこに立つひときわ大きな体格の中川君を見つけた。





そしてその中川君へと走って向かうまどかの姿も…






あんなに走っちゃ、また転ぶって…





そう思った矢先に躓くまどかに私はつい「あッ…」と声を漏らす。






けれど寸前の所で中川君がまどかを支えて、まどかは転ばずに済んだ。






なるほどね…






まどかの生傷が減ったのって、中川君のお陰だった訳か…





それならそうと恥ずかしがらずに言えばいいのに…





そう思った考えをすぐに思い直す。





何考えてるの?まどかだって、知られたくない事くらいあるわよね…





現に、まどかは中川君との事は、勿体なくて言えなかったと告白してくれた。