ヒミツの恋【短編集】

会社の入り口が見える場所から、出てくる人をチェックする私を訝しげにみる人の視線が痛くて、その場を離れようと歩き出す。







『…裕美、ちゃん?』







後ろから声をかけられ振り向くとそこには、驚いた顔をした和弘の姿。






会えたっ!!







「和…」






駆け寄ろうとした私の目に入ってきたもの…






『谷口君の知り合い?』






…隣に立つ女の人の姿。







バッチリ化粧のキャリアウーマン風の女の人…和弘と二人揃って首から同じ社員証をかけている…





開襟ブラウスから覗く胸の谷間がやけに厭らしく見えた…








『裕美ちゃん、どうした?何でここに?』







何でって?そんなの決まってるじゃん!







「会いたいから来たの!」