明日香は、恵子の探るような瞳に驚き、

慌ててコーヒーカップを置くと、恵子から顔を背け、

「あ、ありますよ!これでも、初恋は早かったんですから!」

恵子は、今度こそ深いため息をつくと、明日香の言葉に呆れた。

恵子はまだ、吸える煙草を手に取ると、灰皿にねじ込んだ。

「早いとかの、問題じゃないの」

恵子は、もう煙草を吸う気にもなれなかった。