明日香は、何とかKKにたどり着くことができた。

いつもより、足取りが重かったから…着くのが遅くなってしまった。

いつもより、重く感じる扉を開けた。

「おはよう。少し遅かったわね」

いつものように、カウンターからの恵子の笑顔。

ため息混じりに、明日香がカウンターに座ると、

恵子はいつも通り、コーヒーを出してくれる。

深いため息をつくと、明日香は、コーヒーを一口啜った。

いつも通り…苦い。

やっぱり、顔をしかめてしまう。

そんな明日香の様子を、見つめながら、

恵子は、肩をすくめ…煙草に火を点けた。

「何かあったの?明日香ちゃん」

「え?」

明日香は顔を上げ、恵子を見た。

「来てからずっと、ため息ばかりついて…らしくないわね」

「あ…それは…」

明日香を心配そうに見つめる…恵子の瞳に、吸い込まれるように、

明日香は、重い口を開き、今日あったことを、話し始めた。