会場を後にする明日香達。


明日香は、やっと解放されて、大きく背伸びをした。

「帰ろうか!日本へ」

全員が頷く。

明日香は、軽やかに歩き出す。

「また…この国には来ることになる」

啓介は呟いた。

「お前らはな」

阿部達は、明日香と啓介を追い抜く。

「え?おじさん達は…」

「馬鹿。俺達は年だ。何度も、こんな国に来れるか」

「それに…日本には、本当のメンバーが待ってるんだろ」

「これが限界」

3人は、歩き続ける。


啓介は立ち止まり、3人の背に頭を下げた。


明日香が、そんな啓介に近づき、腕を絡めた。

「おい!」

戸惑いながら、2人は歩きだす。

「ねえ、啓介…あたしもしばらくは、ライブできなくなる」

明日香の言葉に、啓介は驚く。

「どうして?」

明日香は、啓介から離れた。

「まさか…音楽をやめる…」

「やめないわよ」

「じゃ、どうして…」

「わからない?」

啓介は焦った。

「ま、まさか」

啓介は、明日香に近づき、

両肩を抱き締めた。

明日香は、嬉しそうな顔をする。

「やっぱり、どこか悪いのか!」

明日香は、啓介を振り解くと、

「やっぱり…男の人には実感ないのかな…」