仕方なく…次の日の

放課後、明日香は音楽室へと向かう。

足取りが重い明日香を、

夕陽が照らす。

(助けてくれないのね)

恨めしそうに、夕陽を見る。

明日香は、ため息とともに、音楽室へ向かう階段を、上がろうとした。

その時、

階段の上から、3人の女子が現れた。

「香月さんね」

真ん中の女が、降りてきた。

いきなり、胸元に手をいれると、

プリクラつきの名刺を、明日香に差し出した。

「結城恵美…ブラスバンド部部長!?」

驚きながらも、明日香が名刺を読むと…結城は、さっと名刺を、奪い返した。

「あなたの話は、きいてるわ。軽音の秘密兵器」

言い放つような結城の言い方に、明日香は、唖然とする。

結城は構わずに、話を続けた。

「しらばっくれても、無理よ。先日、うちの部室から…トランペットが、盗まれるという事件が、発生したのよ」

あっと、思わず口にでた明日香。

結城の目が、光る。

「そのトランペットは、学校のものとはいえ…うちが、所有していたもの!それを無断で!」

結城は、明日香を見、

「昨日…何と!音楽室より、トランペットの音がもれてきたの!吹いてたのは、あなたね」

結城は、明日香を指差す。

身の危険を感じ、思いっきり、首を横に振る明日香。

結城は、明日香に顔を近づけ、クスッと笑うと、

「別に…使ったらいけないと言ってないの」

急に、猫なで声になった。