「どういうことなのよ!里美!」

音楽室をでて、駅へと向かう帰り道。

「どういうこととは、こっちのセリフよ!なんで、あんたが、メンバーに入ってて!あたしは、入ってないのよ」

逆ぎれだ。

言い争いを続ける2人の横を、

2台の自転車が、走り抜けていく。

明日香達と、同じクラスの雪野麻理亜と……

高橋。


麻理亜は、フンと一瞥をくれたが、

高橋は、まるで…気付かないみたいに、無視だ。

去った二人の後ろ姿を、見つめながら、

里美は、拳を握りしめた。

「あ、あすかあ!あたし。絶対に、部長としあわせになるからね。ちきしょう!」

メラメラと燃える怒りに、

里美は、震えていた。