黄昏に香る音色

「ありがとう…」

ゆうは、去っていく女生徒の背中に、笑いかけた。


過去には、もう戻れない。


だからもう……。

ゆうも階段を降りた。

そして、渡り廊下を見上げ、


敬礼をし、懐かしい道を歩きだした。



もう二度と…歩くことがない…この道を。





END……