明日香を見ない。


「ごめん…。明日が、ここにいれる最後になる…」




「どういう意味?」

明日香は驚き、戸惑い、
言葉の意味を確認しながら、

ゆうに、詰め寄った。

ゆうは、ゆっくりと、

顔を、明日香に向けると、

これまでになく、

さっきよりも優しく、

そして、

悲しく、微笑んだ。

「まだ…明日会えるよ…」

また、風が吹いた。

とても強い風。

明日香は、思わず目をつぶった。

少し埃が入った。


何とか、目を開けた時には、

もうゆうは、いなかった。


夕陽も、今日から明日へ

沈み始めていた。

「ゆうさん!」

明日香の叫びも虚しく、

夜が来る。