黄昏に香る音色

家に着くと、

着替えるより先に、CDをセットした。

銀色の円盤が、ラジカセに吸い込まれ、

音が流れ始めた。

明日香の時が、止まる。




いつのまにか、

音楽も止まった。

明日香は、CDを取り出すと、ケースにしまった。

着替えることを忘れ、

明日香はベットに、倒れ込むと、

しばらくぼおっとした。

もう帰ってから、1時間くらいたっていた。

明日香は、CDを手に取り、照明にかざすように、ジャケットを眺めた。

これは…

悲しみと絶望の音楽だ。

今、あたしが聴いては、いけない音。

そう感じた。

明日香は、ベットから起きあがると、

CDをラジカセの横に、立てかけ、別のCDを手に取った。

KKのアルバム。

明日香は、恵子の歌をかけることにした。

切なさとやさしさの音。

どちらのCDも、健司のトランペットがはいってるけど、

まったくの別人。

なぜ、

健司は、絶望の方を、選んだのだろうか…。