黄昏に香る音色

大拍手が、沸き起こる。

無事に演奏が終わり、ほっとしていた明日香は、突然の歓声に、びっくりした。

そして、感激した。

席を立っているお客も、いる。

お客の拍手が、こんなにうれしく、心に響くものだなんて。

今まで練習は、

この為にあったんだ。

驚きと発見。うれしさと恥ずかしさ。

まだ今は、

恥ずかしさが、一番勝っている。

明日香はぺこっと、頭を下げると、そそくさと、ステージを降りた。

カウンターの向こうでは、

恵子が、微笑んでいた。


恵子の拍手を聞き、明日香の中で、

やっと嬉しさだけで、いっぱいになる。

恵子の笑顔も、嬉しい。

明日香も笑顔で、

お客の拍手の中、テーブル席を抜けて、カウンターに向かう。

明日香の憧れと、目標のもとへ。