「無理に元気出そうとしなくていいから。迷惑だし。」

「夏音、なに言ってるのよっ!」

「別に?」


冷たくしていれば、いつかは離れていってくれるでしょ?
私は一向に記憶を取り戻せる気がしないの。
それに、私たち喧嘩をしていたからあんなことになっちゃったんでしょ?

だったら、気が合わないカップルだったんだから別れた方がお互いに幸せだと思うのよ。


だから私は、あなたが離れていくまでずっと冷たい態度をとり続けるよ。


「・・・・・・俺、ちょっと外すわ。」

「あ・・・あぁ・・・・・・。」


優生くんは寂しそうに肩を落として病室を出ていった。


これでいいのよ。
これが正解なの。
じゃないと辛いだけでしょ?

あなたは私のことを好き。
だけど私は、今の私はあなたを好きじゃない。
外見は変わらないのに、中身だけが変わってしまって、想いが通じ合わない。

だから、あなたは苦しくなってしまう。

 だからね、


「これでいいの・・・・・・。」

「え?何か言った?」

「ううん。」


私たちは別の道を歩みましょう?