「なぁ・・・・・・。」


 ごめんな・・・・・・。
 痛かったよな・・・・・・。


「では私たちはこれで」

「ありがとうございましたっ・・・・・・!」


 医者たちは病室を出ていった。


 この部屋には俺と眠るなぁの二人だけ。
 二人の時間が何よりも好きで、落ち着ける時間だったのに、今はただ虚しいだけ。
 痛い思いさせてごめん。
 なぁの気持ち考えなくてごめん。
 早く気付いてあげられなくてごめん。


 手を握ってなくてごめん・・・・・・。



 やるせない気持ちが胸の中を渦巻いて、悔しさと不甲斐なさが胸を締め付ける。
 鼻の奥がツンとしてじんわりと目に涙が浮かんだ。


「なぁ、早く起きてよ・・・・・・。」


 寂しいじゃん・・・・・・。



 こんなの悪夢だよ・・・・・・。

 と考えていたけれど、本当の悪夢はこれからだっただなんて・・・・・・。
 俺は知る術も無かったんだ。
 ただ哀しくて辛い、孤独な日々が待ち受けているだなんて知りたくもなかったよ・・・・・・。