「あ、あぁ……大丈夫ですっ」 「それはよかったっ……ごめんね」 男の人は心底安心したように胸を撫で下ろし、申し訳なさそうに謝ってきた。 私は勢いよく立ち上がり、男の人に頭を下げた。 「あっ、あのっ!私こそいきなり飛び出してしまってすみません!!」 元はといえば、私が勝手に怒って走りだし、飛び出したのが悪いんだ。 本当に申し訳ない気持ちで頭をずっと下げていた。 許してもらおうなんて思わない。 ただ、気持ちだけは伝えたくて頭を下げていた。 すると男の人は、クスッと笑って言った。