「う、えだ……?」 さらに体を起こして見れば、大好きなひとの顔が見えた。 「たくっ、なにしてんだよ」 尻餅をついた状態になっている上田は困ったような安心したような顔をして、手を私の頬まで伸ばしてきた。 「うえだぁ~~~っ」 ガバッと勢いよく抱きついた。 「おぉ、よしよし。だから前を見ろって言ったろっ?」 優しく抱き締めながら頭を撫でてくれる上田の顔は、それ以上に優しく笑っていて、涙を誘った。 「ごわがっだぁ~~~」