すっかり忘れてた……!

 黙っている私を見て父が言った。

「あぁ、帰っても…」

「帰らないで……」


 父の言葉を遮り、トモダチの服の袖をつまみながら泣きそうになりながら彼の顔を見上げ、言った。


 ふたりっきりで話し合いになるのはどうしても嫌だ。

 絶対にお父さんの意見を押し付けられて、私の気持ちは全部無視されるんだから。