家の中から出てきたのは、紛れもなく父だった。 「ごめんなさい……」 「怒っているわけじゃないよ。それより……キミは?」 父の視線が私からとなりへと移った。 斜め上横を見れば緊張の面持ちをしている上田がいた。 「ひ、夏音さんと仲良くさせてもらっています。上田優生といいますっ」 少し噛んだけど、しっかりと父の目を見て挨拶をする上田。 私じゃ出来ない行動に少し尊敬する。