その顔色は授業が進むに連れ、どんどん悪くなっていった。

「じゃあ、今日は以上っ」

「正座っ、礼っ」

 ガタッ

 号令と共に日高さんは俺の視界から消えた。

「なっ、夏音ちゃんっ!?」

 俺の視線の後ろの席の女子は慌てふためきながら、彼女にかけより肩を揺さぶって必死に呼び掛けていた。

 間もなく彼女の周りにはひとが集まり、大騒ぎになっていた。

 そんな状況を見て、居ても立ってもいられなくなって、彼女の元に人を押し退けながら駆け寄った。

「日高さんっ、今運ぶからっ!」

 目の前の女の子はぐったりと倒れこみ、苦しそうに肩で息をしていた。