さっき見た笑った自分はいかにも楽しそうで陰の無い、偽りの無い、何よりも自分らしい笑顔だった。 だけど、今見ているこの顔は寂しげで陰が有って、苦しそうな、いたい顔。 画面を自分の方に向け、悲しそうにそれを見ながら未歩は言った。 「私はね、夏音にいつだって笑顔でいてもらいたいんだよ。だから、……」 未歩は顔を上げ私に目を合わせて、優しく諭すように言った。 「一歩前に進もう?」