威嚇するように少しキッと睨むと、がっかりしたように眉を下げて言ってきた。

「あ~ぁ……俺の大好物が……」

「えっ!?私も大好物っ」


 意外な共通点に驚く半面、好みが一緒で嬉しかった。


「マジ?じゃ、いいや」

「食べたければ食べればいいじゃない」


 素直じゃない私は、直球に『あげる』なんて言えなくて、遠回しにしか言えない。

 でも、そんな気も知らないで上田優生が「ふっ」と笑った。