「ちょっと来なさい……」

 『はぁ…』とため息をついたかと思うとそう言い、私を廊下に引っ張っていく。


「夏音、優生くんのこと好きになってるのに気付かないの?」

 振り返り様にそう言ってきた。

「へ?」

 私が上田優生のこと好き?
 何を言ってるの、未歩?

「だって、初めて本性出していいって思えたんでしょう?それに、夏音の優生くんを見る瞳は優しいもん」

 そんなはずないっ……!

「私はそんな感情あのひとに持ってないっ……」