かなわなかった約束。
奏太の話は続いた。
中学に入る少し前から、拓人さんが体調を崩し、学校を休みがちになったこと。それでも入学式には出ることが出来た。
満開の桜の下、二人で頑張ろうなってたくさん笑ったこと。拓人さんはちょっと体調が思わしくないけど、ただの風邪だと思うと話していた。
拓人さんの体調不良はその後も変わらず続いていて、奏太は奏太のお母さんから大きい病院で検査したことを聞かされた。
入学式から2週間経った、ちょうど今と同じぐらいの4月の終わりに、拓人さんから奏太に話があった。拓人さんが自分の体調不良の原因が脳腫瘍であったことを話してくれた。翌日から入院することを、緑がまぶしい葉桜の下で聞いた。
「自由にしてやるって言われた時、そんな自由いらない、そんなこと言うな、甲子園行けなくたっていいじゃないかって…」
奏太はそこまで話したあと、言葉が続かなかった。しばらく沈黙が続きそうなところで、目的の駅に着いた。
「ごめん」
「いや、大丈夫。話したくなったら話せばいいよ。」
奏太の話は続いた。
中学に入る少し前から、拓人さんが体調を崩し、学校を休みがちになったこと。それでも入学式には出ることが出来た。
満開の桜の下、二人で頑張ろうなってたくさん笑ったこと。拓人さんはちょっと体調が思わしくないけど、ただの風邪だと思うと話していた。
拓人さんの体調不良はその後も変わらず続いていて、奏太は奏太のお母さんから大きい病院で検査したことを聞かされた。
入学式から2週間経った、ちょうど今と同じぐらいの4月の終わりに、拓人さんから奏太に話があった。拓人さんが自分の体調不良の原因が脳腫瘍であったことを話してくれた。翌日から入院することを、緑がまぶしい葉桜の下で聞いた。
「自由にしてやるって言われた時、そんな自由いらない、そんなこと言うな、甲子園行けなくたっていいじゃないかって…」
奏太はそこまで話したあと、言葉が続かなかった。しばらく沈黙が続きそうなところで、目的の駅に着いた。
「ごめん」
「いや、大丈夫。話したくなったら話せばいいよ。」