合格発表

プルルルル 電話がかかってきた。

けやきの木の下で携帯を開いた・・・

「もしもし?」

「皐ーっ!受かった!?」

桜だった。

「受かったよ。桜もその調子だと受かったんだね?」

「うんっ!」

嬉しかった。

その後何分かしゃべった後電話を切った。




私はさっそく家に帰って兄貴達に報告した。

「桜と一緒に受けた高校、受かった!」

みんな喜んでくれた。

正人は、やさしい笑顔で頭をなでてくれた。




入学式


「桜待った?」

「ううん。今来た所だよ」



ちょっと緊張するけど桜と一緒なら大丈夫・・・


でも・・・


桜にはまだ私がヤクザと暮らしていることを話していない。

施設で暮らしていると嘘をついている。

言ったら、桜が離れていってしまいそうだから・・・


「どうしたの?そんな怖い顔して」

桜が心配した表情で顔を覗き込んできた。

「ううん!なんでもない。ちょっと緊張してるだけ!ハハッ」

「そう?何でも言ってよ?親友なんだから!!!」


親友か・・・

何でもいえる仲が親友だと思ってたけどちょっと違う。

「うん・・・」

私は頷いた。