俺がそう返しただけで、本当に幸せと言うほどに喜んだ顔をする。 それを何度見ても飽きないのは、俺もその顔を見るのが悪い気がしないから。 彼女さんが喜ぶと俺も嬉しいのは紛れもない事実。 気を抜くと口元がゆるんでしまいそうな勢いに。 『今日ですね、国語の授業で――……』 隣りを歩きながら今日あったことを小まめに話す。 あんな事があった、とか、あの人がこんなことを言ったとか、そんな他愛もない話をするのが彼女さんの日課らしい。