君だけの星へ

「……望月、おまえまたここ間違ってる」

「え、どこ?!」



桐生さんの呟きを聞き、思わずそんな声をあげて顔を彼に向けた。

ほらここ、と問題集の指さされた箇所を見れば、確かにそれは先日注意されたのと同じような間違い。



「しょ、しょっく……」

「ショック、じゃねぇよ。こないだも言ったとこじゃねぇか」

「うぅ……」



ああ、やっぱりわたし、ダメダメだ……。

同じミスを繰り返してしまったことが悔しくて、しゅんとうなだれる。

そんなわたしを見て、桐生さんはふっと嘆息した。



「しゃーねぇな。わかってても同じように間違っちまうってのは、どうしてもあることだし」

「桐生さん……」



ものすごく希少価値の高い彼のフォローが、へこんだ心にじーんとしみる。

桐生さん! これでさっきの自意識過剰発言と合わせて、評価がプラマイゼロになったよ……!