なんか、届くよ。 ───スパッ え、あれだけなのに? ───スパッ 「棗ちゃんすごいね! それ、跳ばなくてもできるんじゃない?」 跳びながらフリースローを2本連続決めたあたしに、目を輝かせた蒼乃がそう言った。 「え、どうだろ。まだ、慣れたばっかだから」 「1回やってみてよーっ」 蒼乃が、ディズニーランドに来た子供のような笑顔でそう言うから、あたしは1回だけ打ってみることにした。 ───ダムダム 線の前に立ち、2ドリブル。 それからゆっくり体制を戻し、ゴールとしっかり向かい合う。