「…ふふっ、カットされちゃった☆」 蒼乃は笑いながらそう言って、転がるボールを拾い上げた。 「棗ちゃんのディフェンスすごく上手だったよ」 蒼乃は、また笑ってみせた。 「……でも、やっぱり悔しい」 「っ、」 蒼乃はぼそっと言って、唇を噛み締めていた。 〝悔しい〟 あたしは、蒼乃に何回も抜かれて、悔しくて、未希と練習して、そして今、練習した成果が出た。 あたしだって、死ぬほど悔しかった。 だから、負けないようにって頑張ったんだ。