「いくよ、棗ちゃん」 「オッケー」 準備万端。 いつでもいける。 あたしはさっきよりも何十倍も集中して、ドリブルする方を、蒼乃の目を見て予想する。 ───これは、右に行く。 次の瞬間、あたしの予想通り、蒼乃は右にドリブルしてきた。 すでに構えていたあたしは、すぐに反応してディフェンスにつく。 よし……っ しかし、蒼乃はロールをしてあたしを抜き去った。 !? う、そ………