「いえ、別に特にないので。それじゃあ」
本当に何もないのだから仕方が無い
それに彼は私の平穏な日常生活には入っていない人種だ
今回は不可抗力だが、これからも関わるつもりはない
だから、彼との接触もここまでだ
「っ!!待ってくれっ!」
ドアに振り返ろうとした時、左腕に感じる圧迫感
何に焦ったのか、とっさに私の左腕を掴んだ彼
「何ですか?」
まだ何かあるのか
別にそんな心の狭い人間なわけでもないから許すし
許すも何も最初から怒ってないし
逆にこの状況に怒りそうだよこのヤロー
ネタにもしないと言ってるのだからここまでしつこく構う事はないのに…

