先輩が去った後も私は動けずに、ただ泣いていた。
公園の茂み。
確か雨も降り出したんだっけ。
やっと動けるようになってよろよろ立ち上がると運命に導かれているかのように先生が公園の前を歩いていたの。
苦しいものが心を支配していて狂いそう。
どうにかしてほしい。
ーーー…助けてほしい。
「せん…せ…っ!」
「…小川…⁉どうしたんだよ⁉」
「たすけ…て…」
最後の言葉は先生に聞こえていたのか、今でもわからない。
でも確かなことは、
先生は私を本当の意味では助けてくれないってことだけはわかっていた。
先生は仁美先生が一番だから。
私は誰かの一番になりたいの。
何よりも誰よりも大事にされたかった。
誰でも良かった。
誰でもいいから「お前が一番だよ」って言って欲しかったの。
愛されてると実感したかったーーー…
そしたら幸せになれると思ってたから。
でも先生は叶えてくれないって知ってる。
それでも私には先生しか手を差し伸べてくれる人が居ないの。
先生しか、いなかった。



