届いてたんだね……私の声。



「ありがとう、先生」



このことがあってから先生は私にとって特別な存在になったんだ。


朝、何気なく交わす挨拶。

HRの時の先生の声とか表情とか。

猫っ毛でフワフワしてる髪の毛とか。


…すべてが嬉しかったの。


他の子と話してても先生は嘘の笑顔で話してる。

本当の先生を知ってる生徒はどれくらいいるの?


ねえ、私は先生にとって特別な生徒かな?


教えてよ。


でもある時気づいたんだ。
ひたすら先生を見ていたら気づいた。


先生も寂しそうな顔をすることに。