「可奈子!」
…田中良太。
スポーツもできて頭も良くて、みんなから慕われていた彼は後輩の間でも大人気だった。
一年生ももう終わるってぐらいにその田中先輩に突然告白されて、話したこともなかったのに私はオッケーした。
だからもちろん先輩のことが好きだから付き合ったわけじゃない。
嫌いってわけでもないけど。
付き合ったことに理由をつけるなら…先輩の持っている肩書きが欲しかったのかもしれない。
スポーツができて頭もよくて、顔も悪くない。
みんなから慕われている人気者。
そんな人の恋人。
そんなんだから私はバカなんだよね。
だから先輩の本性も見抜けずに傷ついた。



