「そんなはずない!だって先生は私じゃなくて、あなたを選んで別れたんです」



そんなこと、あり得ない。

だって、だって…


先生は私を迎えには来なかった。

私になにも言わなかった。


先生が仁美先生を本当に振ったなら、なぜ私のところに帰ってこないの?


あ…もしかして。

私のこと、本当に好きじゃなくなった?



「ごめん。やっぱり俺が守ってやりたいのは仁美じゃなくてあいつなんだ…って、そう言われたのよ」



頭がぐわんぐわんする。

混乱してよく頭で考えられない。


でも心は素直で。

先生に会いたいと叫んでいる。


今すぐ先生に会いに行きたいと。



「ほんと…妊娠ってウソまでついたのに小川さんに負けたのが今でも信じられない」


「ウソ…?」