ーードキドキドキ。


暴れる心臓、イヤな感じ。
先生がスッと私の前に立って姿を隠す。


…先生?



「なにして…」


「ちょっと進路相談してたんです。泣いてるんで顔を見ないであげて下さい」



先生の背中と声がすごく頼もしい。


彼がすごく大人のひとなんだって実感した。



「…わかりました。でも早く来ないと教頭にツノが生えますよ?」


「はは、そうですね。すぐ行きます」



しばらくして足音が遠ざかって行くのがわかった。

それに少しだけ安心したけど垣間見えた先生の顔はまだ険しい。


せんせ…?



「うかつだった。あいつの足音聞こえてたのに。…お前を離したくなかった」



え…