「おがわ…」 一旦キスを止めて、見つめ合うともう一度くちびる同士をくっつけて確かめ合う。 呼ばれた名前が愛おしい。 キス、キス、キス。 止まっていた時計の針が動きだしたように、モノクロだった世界が色を取り戻したように。 …涙が頬をつたって、止まらない。 ああ、どうか神様。 時間を止めて。永遠に。 ふたりだけで居させて下さい。 お願い。 この幸せなトキがずっと続けばいい。 こんなに求めあっているのに ふたりを引き離すようなことしないでください。 たとえこの感覚が幻であっても。