泣いても叫んでも誰にも届かなかった声。

振りほどこうとしても離してくれなかった手。


そして不気味な笑顔。


目の前にいるのは先輩じゃなくて東城佑夜なのに身体と心が怖がってる。



「…っ………」



震えてる。カラダも心も。

頭がクラクラする。


忘れたいのに、忘れられない。


ーー…私が笑顔を忘れた日。


こんな弱いところなんて見られたくない。

見ないで…っ。



「小川…さ…」



涙で滲んで前がよく見えない。
息も、どんどん荒くなっていく。


足がすくんでしまって座り込んだ。