風にフワフワ揺れる柔らかそうな髪の毛。 引き込まれるように寝顔を見つめていてハッとした。 …なにしてんだか…。 その場を去ろうとした時、不意に手を握りしめられてビックリした。 「待って」 切れ長の綺麗な目が私をとらえる。 ーードクンッ。 …なにこれ。 心臓に何かが流れ込んで来たと思ったらゾクッと嫌なものが体を走る。 ーーーやだ…怖い…っ 「はな、して…」 やだ。やだ。 あの時の記憶が蘇って来る…! 思い出したくない!!