「んー…ちょっと貸して」



看板を眺め、少し悩んでから男の子からペンキとハケを奪うと器用に文字をデザインしていく。


『お化け喫茶』と、はみ出たペンキを利用して少しホラー気味に描いている。



「これでいいっしょ?」



満足したようにタオルを頭に巻いて、ニカッと笑う佑夜はいつもと違って新鮮。



「う、うん。まあ、それなら…」



そう言うと彼は自分の持ち場に戻った。


お化け喫茶は何をやるか決める時にお化け屋敷派と喫茶店派に別れたから佑夜が「ならどっちもやろう」って言って出来たもの。


怖い雰囲気の喫茶店。


誰がこんなところでお茶したいんだって話だけど、みんな納得してるみたいだし、別に私もそこら辺こだわってないからどうでもいい。