あの夏休みの夜以来、私たちの関係は完全に…とは言わないけど、昔みたいになった気がする。


幼馴染みって感覚が戻った。

男と女…じゃなくて、もっと特別な。


「木村とメールした?」

「うん、まあ。でもあいつすぐ寝るんだよ」

「へー。でもそんな感じする」

「今時の高校生が9時に寝るか?9時に」


いや、木村ならありえる。

9時に寝て、朝の5時ぐらいに起きてそう。


口を尖らせながらも、どことなく嬉しそうに話す大樹に、私もなんか嬉しくなる。


大樹はまだ木村が自分のことが好きって知らない。てか教えないつもり。もちろん木村にも。