おどおどした態度。

木村が勇気を振り絞っている時間。


わかってるから私は待つ。

この子には時間が必要なんだ。


「あの、改めてお礼を言わせてくださいっ」

「お礼?」

「はい!小川さんのお陰で、私、学校が楽しいなって初めて思えたんです!」


目をキラキラさせる彼女。

眩しくて、少し羨ましくなった。


…私はこんな目をしたことあるのかな…?


「花火大会とか、海とか…すっごく楽しかったんです!みんな小川さんのお陰です、ありがとう!」


ガバッと頭を勢い良く下げて、そして頭をあげるとニコッと、本当に幸せそうな笑顔を見せた木村。