場所を海の中から砂浜に移動した。
パラソルの下、佑夜がジュースを買って来てくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
炭酸が私の口に広がる。
甘酸っぱくて、冷たくて、美味しい。
…なにから話そう。
「私が先輩からレイプされたのは知ってるよね?」
「うん…」
前に、ウワサしているところに二人して鉢合わせして言ったもんね。
「先輩とは付き合っててね?DVうけてた私を先生が助けてくれたの。小川に近づくな!って」
トイレで。
先生は私を抱きしめながら守ってくれた。
あの時のことはよく憶えてるの。
手の強さと温もり。
先生の背中や、言葉一字一句。
なにも忘れてない。



