「ウソつき。言いたくないなら、別にいいけど…でももし言ってもいいって少しでも思ってるなら言って」

「?」

「俺、ちゃんと小川のこと全部知って、それから支えたいんだ。それが例え友達としてでも」


支えたい?

私を支えたいって、思ってるの?


「小川のこと知らないのに、俺、なにもできないじゃん」


波が、少しだけ強くなった気がした。

そして揺れてるのは海水だけじゃない。


私の心もジワジワと揺れていた。


でもその度に先生の温もりを思い出しては、胸が痛む。