『小川に拒否権なんかないからな』 大樹の後ろから不機嫌な声が聞こえたかと思うと、佑夜が姿を見せた。 …佑夜!? 『花火大会を抜け出したバツとして来いよ』 キレイな顔が不機嫌そうに歪む。 それを言われちゃうと… 『わかったわよ…』 ーーーーー… ーーー… …で、今に至っているのですが。 「人多いな…」 サングラス越しに見るカップルや若者の団体。それだけでクラクラしそう。 …やになっちゃう。 「大丈夫?」 上半身裸の佑夜が浮き輪を持って私の顔を覗き込む。