『…私、妊娠してるの…』

『え?』


仁美の大きな目に涙が溢れそうに溜まっていた。

衝撃的な告白に俺は動揺を隠せない。


に、妊娠?


『父親は…正直わからない…』

『…っ……』

『でも!これだけは本当、私、心平に一途になろうって決めたの。そしたら妊娠してるのが分かって…』


そんな…。今さら…。


『あなたが望むなら、お腹の子も堕ろしていい!だからお願い!考え直して……っ」


膝から崩れ落ちるように「あなたが居ないと生きて行けないの…」と、泣き出した仁美をとりあえずひと気のない所まで連れ出した。


正直、心がめちゃくちゃだった。


俺はどうすればいい?

どうしたいんだ?


『今までごめんなさい。でも心平を愛する気持ちは本当だから…』


でもひとりで苦しむ仁美を見捨てられなかった。

俺はーー弱い。