仁美先生の手に握られたふたつのジュース。
それ、先生の?
一緒に飲もうって、買ったの?
そんなことにも嫉妬してしまう
私の小さな心。
こんなの、こんなの…
ダメ、イライラする。
「……ばか」
そう小さく呟いて、その場にいたくなくなった私はとりあえず歩き出した。
ダメだ! 一緒にいるとこ見たくない!
だって、だって…
泣きそうになるんだもん。
いつの間か走っていた私の視界は涙で歪んでいた。人とぶつかりそうになりながらも、ひたすら走った。
隠そうとしたってことは、私に知られたくなかったってことだよね?
なんかやましいことでもあんの?
…まだ仁美先生のこと好きなんじゃないの?



