なにもかも、おもしろくない。

生きるのはなぜこんなにも苦痛なんだろう。


ザワザワした教室に私ひとりだけ浮いたように席に座って方杖をついていた。


「おはよー」


そんな声が飛び交う時間に私が居るのはそんなに不自然?


…盗み見るならもっとうまくやってよ。

盗めてないし、ムカつく。


こっち見ないでくれない?

やっぱり朝から来るのは好きじゃない。



「可奈子!おはよ〜っ」


「…………」


「無視⁉あれ無視⁉」



目の前をチョロチョロする馬鹿大樹。


あーもう、うるさい。



「うるさいんだけど、童貞くん」


「なっ…!」



素っ頓狂な大樹の声。

良い加減話しかけてくんのやめればいいのに。


どうせシカトされんだから。